緊急提言 新型コロナウイルス問題 歯科治療はどう向き合うべきか? 日本の歯科医療を守れ!! 長期化への備え
- 2020年04月26日
緊急提言
新型コロナウイルス問題 歯科治療はどう向き合うべきか?
日本の歯科医療を守れ!! 長期化への備え
いつもアイリス歯科クリニックのブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
毎日、暗いニュースが多く心身ともにお疲れではないでしょいうか? 当院のスタッフは、体調管理に細心の注意をして一人の体調不良者もなく今日も元気に勤務しております。
現在も新型コロナウイルス(COVID-19)収束の見通しがつかない状況ではありますが、当院では、院長が国内外の論文を精査しております。少しでも感染症と戦う全国の歯科医院および患者様の力になれればと考え、院長の見解を配信させて頂く事としました。
*新型コロナウイルス(COVID-19)に関しては、現在のところ信頼性の高いエビデンスを得ることは出来ておりません。そのため、現在までの知見から出来るだけ迅速かつ信頼性の高い情報収集が求められます。
また、急速に状況が変化している現状において、我々の配信情報も適時更新されてしていく可能性も十分ございます。
何卒ご了承ください。
歯科医院って新型コロナウイルス(COVID-19)感染症防止について
安心できるの?
〜新型コロナウイルスや歯科に関わるインターネット・マスメディアの情報〜
現在当院には、多くの歯科医療関係者の方、マスメディア関係者の方から当院に新型コロナウイルス対策に関するお問い合わせを頂いております。TVなどのマスメディアやインターネット等では歯科に関する新型コロナ問題の情報が毎日のように出回っております。しかし、その殆どは歯科医療特有の感染対策に関する知識を十分理解していない本来の専門家が見た場合には明らかに患者様や歯科医療従事者の不安を過度に煽るような短絡的な情報が少なくありません。
現在、多くの歯科医院は日々の感染対策以外に風評被害の対応にも追われております。風評被害が長期化した場合には、個人開業医が多い歯科医院にとっては、一層深刻な物資不足や倒産危機を招く可能性があります。つまり、国民の皆様にはコロナ問題が収束したとしても十分な歯科治療が受けられない最悪の事態を全国的に招く危険性があります。
一方、患者様におかれましても、いつまでも終わりの見えないコロナ危機に不安を募らせて歯科の症状が日に日に悪化していく不安を抱かれる方も少なくありません。
残念ながら、今回の新型コロナウイルスに関しては現状有効な治療法が見つかっておりません。また、どのような行動が正しいかに関しても誰もわかりません。だからこそ、長期的な視点で一層冷静な行動が求められます。
国民の皆さまから寄せられる感染症対策に関するご意見
〜歯科医院は新型コロナウイルスの感染リスクが高い?〜
当院に限らず、歯科に通院されている患者さまの中でも「歯科は口の中に触れることも多いし、他に比べて感染リスクが高い場所なのでは?」と考える方も少なくないかと思います。
アメリカでは先日「歯科医師や歯科衛生士は、職業的に新型コロナウイルスに感染する可能性が高い」との情報(※1)が発信され、多くの歯科医療従事者に衝撃を与えました。
その結果、一部の歯科衛生士や歯科助手がSNS等で不安を訴え、国民に大きな不安を与える事となりました。
歯科医療従事者が新型コロナウイルス感染リスクが高いとした情報とは?
当該報告の内容を精査すると
1)感染症に罹患するリスクは感染者との距離が大きな要因であるということ
2)仕事の特殊性(感染症と向き合う頻度)であるということ
上記2点の事柄が、歯科医師および歯科医療従事者が新型コロナウイルスを含めた多くの感染症へにかかるリスクの高い仕事であると推定された原因のようです。
しかし、このデータには歯科医院が普段から行なっている、
・使い捨てマスク・グローブの着用
・ゴーグルの着用
・口腔外バキュームの使用
・滅菌管理
などといった感染症対策は考慮されておりません。
つまり、実際に新型コロナウイルスに感染した方が必ずしも歯科医療従事者が多いとは結論付けていません。
もし当該記事の内容が事実ならば、歯科医療に関わる方は新型コロナウイルスに限らず、すべての感染症にかかる確率も他の職業に比べて著しく高くなるはずです。確かに過去の論文では、現在推奨されているような滅菌操作等の感染症対策を行なっていない場合、歯科医療従事者はHBV(B型肝炎ウイルス)等の強い感染力を持った感染症に罹患する可能性が高いとの報告があります。ですが、多くの論文では【適切な感染管理を行なっていれば、かなりの確率で歯科医院での感染症を予防することができる】と結論づけております。
厳格な感染症対策を行う事は、歯科医療従事者自身の感染リスクを下げるためにも必須事項なのです。同時に、歯科医療従事者は、患者さんが保菌しているかもしれないウイルスからの感染の危険に晒されています。つまり、常に命がけで患者さんの歯を守っている事になります。